【社労士監修】フレックスタイム制度とは?導入手続きから正しい運用まで解説

フレックスタイム制度は、労働者が自分のライフスタイルや仕事の状況に応じて、始業・終業の時刻を柔軟に設定できる労働時間制度です。この制度により、労働者はプライベートと仕事のバランスをより良く取りながら、生産性を高めることが可能になります。この記事ではフレックスタイム制度を導入したい企業の導入手続きから正しい運用方法、注意点などをしっかり解説致します。

フレックスタイム制度のご相談なら弊社へお任せください!

フレックスタイム制度とは

フレックスタイム制度(Flex Time System)は、従業員が自分の始業と終業の時刻を一定の範囲内で自由に設定できる労働時間制度です。この制度は、従業員に仕事と私生活のバランスを取るための柔軟性を提供し、働き方をより自由に調整できるようにすることを目的としています。

主な特徴
コアタイム:この制度では通常、「コアタイム」と呼ばれる、全従業員が出勤する必要がある固定時間帯が設定されます。コアタイム以外の時間帯は「フレキシブルタイム」とされ、従業員は自分の裁量で勤務時間を決定できます。

フレキシブルタイム::従業員はコアタイムを除く時間帯で、始業・終業時間を自由に設定できます。これにより、朝型の人も夜型の人も自分の生活リズムや仕事の効率に合わせて働くことが可能になります。

時間管理:労働時間の総量は変わらず、所定労働時間内での勤務が求められます。従業員は自身の労働時間を管理し、所定の労働時間を満たす必要があります。

フレックスタイム制度のメリット

フレックスタイム制度はあらかじめ働く時間の総量(総労働時間)を決めた上で、⽇々の出退勤時刻や働く⻑さを労働者側の方で⾃由に決定することができます。労働者にとっては、⽇々の都合に合わせて、プライベートと仕事とのバランスがとりやすくなり離職率の低下や生産性向上が期待されます。

フレックスタイム制度の導入手順

フレックスタイム制度の導入には「就業規則への規定」と「労使協定の締結」が必要です。

1.就業規則への規定

まず、就業規則に「始業及び終業の時刻」を労働者の決定に委ねる旨を定める必要があります。。

【フレックスタイム制度の就業規則への規定例】

(適⽤労働者の範囲)
第○条 第○条の規定にかかわらず、営業部及び開発部に所属する従業員にフレックスタイム
制を適⽤する。
(清算期間及び総労働時間)
第○条 清算期間は1箇⽉間とし、毎⽉1⽇を起算⽇とする。
② 清算期間中に労働すべき総労働時間は、154時間とする。
(標準労働時間)
第○条 標準となる1⽇の労働時間は、7時間とする。
(始業終業時刻、フレキシブルタイム及びコアタイム)
第○条 フレックスタイム制が適用される従業員の始業および終業の時刻については、従業員
の⾃主的決定に委ねるものとする。ただし、始業時刻につき従業員の自主的決定に委ね
る時間帯は、午前6時から午前10時まで、終業時刻につき従業員の自主的決定に委ね
る時間帯は、午後3時から午後7時までの間とする。
② 午前10時から午後3時までの間(正午から午後1時までの休憩時間を除く。)につい
ては、所属⻑の承認のないかぎり、所定の労働に従事しなければならない。
(その他)
第○条 前条に掲げる事項以外については労使で協議する。

2.労使協定を締結する

労使協定では、以下の事を定める必要があります。

①対象となる労働者の範囲
②清算期間
③清算期間における総労働時間(清算期間における所定労働時間)
④標準となる1⽇の労働時間
⑤コアタイム(※任意)
⑥フレキシブルタイム(※任意)

必ず注意しなければならない事

1.残業代(時間外労働)の計算方法が通常と異なる

フレックスタイム制を導⼊した場合には、清算期間における実際の労働時間のうち、法定労働時間の総枠を超えた時間数が時間外労働となります。
(なお、時間外労働を⾏わせるためには、別途36協定の締結が必要です。)

また、各月の暦の日数によって法定労働時間の総枠が異なります。

・清算期間が3か月を超える場合は、所轄労働基準監督署への届け出が必要になる

清算期間が1か⽉を超える場合には、労使協定届を所轄の労働基準監督署⻑に届け出る
必要があります。
違反した場合、罰則(30万円以下の罰⾦)が科せられることがあります。
※清算期間が1か⽉以内の場合には届出の必要はありません

参考URL:36協定における時間外労働及び休日労働について留意すべき事項に関する指針

フレックスタイム制度における時間外労働の考え方

フレックスタイム制度は、清算期間を単位として時間外労働を判断することになります。時間外労働の計算において「1⽇」の延⻑時間については計算せず、「1か⽉」の総枠で計算することになります。
また時間外労働が発生する場合は必ず36協定を所轄労働基準監督署に提出します。

導入するなら専門家に依頼するのがおすすめ

まとめ

フレックスタイム制度の導入は、労働者のワークライフバランスの向上と企業の生産性の向上をもたらす可能性があります。しかし、制度の成功は、労働時間管理、法令遵守、そして従業員の健康管理に大きく依存します。適切に設計され、運用されたフレックスタイム制度は、企業文化を豊かにし、従業員の満足度を高めることが期待されます。

この記事の監修者

特定社会保険労務士 下村 圭祐

社労士法人シモムラパートナーズ代表

社会保険労務士法人シモムラパートナーズでは、企業の個別のニーズに応じた就業規則の作成支援を行っています。労働時間制度の導入や改善をご検討の際は、ぜひ私たちの専門知識と経験をご活用ください。最適な労働環境の構築をサポートし、企業の成長と従業員の満足度向上を共に目指しましょう。

お問い合わせ

TEL:090-1237-5839

E-Mail:shimomura@sr-smpartners.com

対応地区

【愛知県】

名古屋市、豊橋市、岡崎市、一宮市、瀬戸市、半田市、春日井市、豊川市、津島市、碧南市、刈谷市、豊田市、安城市、西尾市、蒲郡市、犬山市、常滑市、江南市、小牧市、稲沢市、新城市、東海市、大府市、知多市、知立市、尾張旭市、高浜市、岩倉市、豊明市、日進市、田原市、愛西市、清須市、北名古屋市、弥富市、みよし市、あま市、長久手市、東郷町、豊山町、大口町、扶桑町、大治町、蟹江町、飛島村、阿久比町、東浦町、南知多町、美浜町、武豊町、幸田町、設楽町、東栄町、豊根村

【岐阜県】

岐阜市、大垣市、高山市、多治見市、関市、中津川市、美濃市、瑞浪市、羽島市、恵那市、美濃加茂市、土岐市、各務原市、可児市、山県市、瑞穂市、飛騨市、本巣市、郡上市、下呂市、海津市、岐南町、笠松町、養老町、垂井町、関ケ原町、神戸町、輪之内町、安八町、揖斐川町、大野町、池田町、北方町、坂祝町、富加町、川辺町、七宗町、八百津町、白川町、東白川村、御嵩町、白川村

【静岡県】

静岡市、浜松市、沼津市、熱海市、三島市、富士宮市、伊東市、島田市、富士市、磐田市、焼津市、掛川市、藤枝市、御殿場市、袋井市、下田市、裾野市、湖西市、伊豆市、御前崎市、菊川市、伊豆の国市、牧之原市、清水町、長泉町、小山町、吉田町、川根本町、森町、東伊豆町、河津町、南伊豆町、松崎町、西伊豆町、函南町

【東京都】

千代田区、中央区、港区、新宿区、文京区、台東区、墨田区、江東区、品川区、目黒区、大田区、世田谷区、渋谷区、中野区、杉並区、豊島区、北区、荒川区、板橋区、練馬区、足立区、葛飾区、江戸川区八王子市、立川市、武蔵野市、三鷹市、青梅市、府中市、昭島市、調布市、町田市、小金井市、小平市、日野市、東村山市、国分寺市、国立市、福生市、狛江市、東大和市、清瀬市、東久留米市、武蔵村山市、多摩市、稲城市、羽村市、あきる野市、西東京市、大島町、利島村、新島村、神津島村、三宅村、御蔵島村、八丈町、青ヶ島村、伊豆諸島・小笠原村

【神奈川県】

横浜市、川崎市、横須賀市、鎌倉市、逗子市、三浦市、葉山町、相模原市、厚木市、大和市、海老名市、座間市、綾瀬市、愛川町、清川村、平塚市、藤沢市、茅ヶ崎市、秦野市、伊勢原市、寒川町、大磯町、二宮町、小田原市、南足柄市、中井町、大井町、松田町、山北町、開成町、箱根町、真鶴町、湯河原町

【大阪府】

大阪市,堺市,岸和田市,豊中市,池田市,吹田市,泉大津市,高槻市,貝塚市,守口市,枚方市,茨木市,八尾市,泉佐野市,富田林市,寝屋川市,河内長野市,松原市,大東市,和泉市,箕面市,柏原市,羽曳野市,門真市,摂津市,高石市,藤井寺市,東大阪市,泉南市,四條畷市,交野市,大阪狭山市,阪南市,島本町,豊能町,能勢町,忠岡町,熊取町,田尻町,岬町,太子町,河南町,千早赤阪村

【福岡県】

北九州市,福岡市,大牟田市,久留米市,直方市,飯塚市,田川市,柳川市,八女市,筑後市,大川市,行橋市,豊前市,中間市,小郡市,筑紫野市,春日市,大野城市,宗像市,太宰府市,古賀市,福津市,うきは市,宮若市,嘉麻市,朝倉市,みやま市,糸島市,那珂川市,宇美町,篠栗町,志免町,須恵町,新宮町,久山町,粕屋町,芦屋町,水巻町,岡垣町,遠賀町,小竹町,鞍手町,桂川町,筑前町,東峰村,大刀洗町,大木町,広川町,香春町,添田町,糸田町,川崎町,大任町,赤村,福智町,苅田町,みやこ町,吉富町,上毛町,築上町

北海道(Hokkaido)青森県(Aomori)岩手県(Iwate)宮城県(Miyagi)秋田県(Akita)山形県(Yamagata)福島県(Fukushima)茨城県(Ibaraki)栃木県(Tochigi)群馬県(Gunma)埼玉県(Saitama)千葉県(Chiba)新潟県(Niigata)富山県(Toyama)石川県(Ishikawa)福井県(Fukui)山梨県(Yamanashi)長野県(Nagano)岐阜県(Gifu)静岡県(Shizuoka)三重県(Mie)滋賀県(Shiga)京都府(Kyoto)兵庫県(Hyogo)奈良県(Nara)和歌山県(Wakayama)鳥取県(Tottori)島根県(Shimane)岡山県(Okayama)広島県(Hiroshima)山口県(Yamaguchi)徳島県(Tokushima)香川県(Kagawa)愛媛県(Ehime)高知県(Kochi)佐賀県(Saga)長崎県(Nagasaki)熊本県(Kumamoto)大分県(Oita)宮崎県(Miyazaki)鹿児島県(Kagoshima)沖縄県(Okinawa)

関連記事

  1. 【社労士監修】就業規則の作成は義務?簡単に作成できる?
  2. 【社労士監修】企画業務型裁量労働制とは?導入手続きから正しい運用…
  3. 【社労士監修】新店舗立上げ、買収、M&Aをした際に必要な社会保険…
  4. 【即日対応】初めて従業員を雇用したときに必要な社会保険・労働保険…
  5. 【即日作成】就業規則作成代行|社労士法人シモムラパートナーズ
  6. 【社労士監修】裁量労働制とフレックスタイム制の違いは?しっかり理…
  7. 【社労士監修】会社設立時(法人成り)に必要な社会保険・労働保険の…
  8. 【社労士監修】給与計算を社労士にアウトソーシングする際のメリット…
PAGE TOP